2026年6月1日、住宅金融支援機構はフラット35の6月適用金利を3.21%と発表しました。2017年の現行制度開始以来、初の3%超えです。4月の2.39%からわずか2ヶ月で0.82ポイント上昇。上げ幅は過去最大を記録し、住宅購入を検討している方にとって衝撃的なニュースとなりました。
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フラット35 6月金利の詳細
| 返済期間 | 融資率9割以下 | 融資率9割超 |
|---|---|---|
| 21〜35年 | 3.21% | 3.32% |
| 20年以下 | 2.89% | 3.00% |
| 36〜50年(フラット50) | 3.38% | 3.49% |
最も利用の多い「21〜35年・融資率9割以下」で3.21%。これは2022年1月の1.30%と比べると約2.5倍の水準です。
金利推移:わずか5ヶ月で1%以上の急騰
| 月 | フラット35金利(21〜35年・9割以下) | 前月比 |
|---|---|---|
| 2026年1月 | 2.09% | — |
| 2026年2月 | 2.13% | +0.04 |
| 2026年3月 | 2.25% | +0.12 |
| 2026年4月 | 2.39% | +0.14 |
| 2026年5月 | 2.71% | +0.32 |
| 2026年6月 | 3.21% | +0.50(過去最大) |
1月の2.09%から6月の3.21%まで、わずか5ヶ月で+1.12ポイントの急騰。特に5月→6月の+0.50ポイントは単月の上げ幅として過去最大です。
なぜ急騰したのか?3つの要因
1. 長期金利(10年国債利回り)の急上昇
フラット35の金利は長期金利に連動しています。2026年5月の10年国債利回りは一時1.6%台に達し、これが直接的にフラット35の金利を押し上げました。
2. 日銀の金融政策正常化
日銀は2024年3月にマイナス金利を解除して以降、段階的な利上げを実施。2025年12月には政策金利を0.75%まで引き上げました。市場はさらなる追加利上げを織り込んでおり、長期金利が上昇しています。
3. ナフサショックによるインフレ圧力
2026年2月のホルムズ海峡封鎖に端を発するナフサ不足が、物価上昇圧力を高めています。インフレが収まらなければ日銀はさらに利上げせざるを得ず、長期金利のさらなる上昇→フラット35のさらなる金利上昇という悪循環が懸念されています。
返済額はどれだけ増える?シミュレーション
借入4,000万円・35年・元利均等返済の場合
| 適用金利 | 月額返済額 | 月額差 | 利息総額 | 総返済額 |
|---|---|---|---|---|
| 1.30%(2022年1月) | 118,592円 | 基準 | 約981万円 | 約4,981万円 |
| 2.09%(2026年1月) | 134,261円 | +15,669円 | 約1,639万円 | 約5,639万円 |
| 2.71%(2026年5月) | 146,987円 | +28,395円 | 約2,174万円 | 約6,174万円 |
| 3.21%(2026年6月) | 157,218円 | +38,626円 | 約2,603万円 | 約6,603万円 |
2022年1月と比べて月額+38,626円、利息総額は+約1,622万円。同じ4,000万円を借りても、利息だけで新車3〜4台分の差が出ます。
年収別の返済負担率
住宅ローン審査では「返済負担率」(年間返済額÷年収)が重要です。フラット35の基準は年収400万円以上で35%以内。
| 年収 | 年間返済額(3.21%・4,000万円) | 返済負担率 | 審査 |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 188.7万円 | 37.7% | ×(35%超) |
| 600万円 | 188.7万円 | 31.5% | ○ |
| 700万円 | 188.7万円 | 27.0% | ○ |
| 800万円 | 188.7万円 | 23.6% | ○ |
金利3.21%では、年収500万円で4,000万円のフラット35は審査基準を超えて借りられない計算になります。2022年の1.30%なら年収420万円でも通っていた水準です。
変動金利との差はどこまで広がった?
| 金利タイプ | 2026年6月の金利(目安) | 月額返済額(4,000万円・35年) |
|---|---|---|
| 変動金利(最安水準) | 約0.5〜0.8% | 約103,000〜113,000円 |
| 10年固定 | 約1.5〜2.0% | 約123,000〜138,000円 |
| フラット35 | 3.21% | 約157,000円 |
変動金利との月額差は約44,000〜54,000円。年間で約53万〜65万円の差です。これだけの差があると、「固定の安心料」として許容できる水準を超えていると感じる方が多いでしょう。
それでもフラット35を選ぶべき人
- 金利上昇リスクを完全に排除したい:35年間金利が変わらない唯一の商品
- 自営業・フリーランス:審査が比較的緩やか(勤続年数不問、確定申告の数字で審査)
- 団信が任意:健康上の理由で団信に入れない方でも利用可能
- 住宅ローン減税を確実に享受したい:変動金利は将来の金利変動で損益が変わるが、固定なら計算が確定
今後の金利見通し
専門家の見方
| シナリオ | フラット35の金利予想 | 条件 |
|---|---|---|
| 楽観シナリオ | 3.0〜3.5%で推移 | 日銀の利上げが一時停止。長期金利が安定 |
| 基本シナリオ | 3.5〜4.0%まで上昇 | 日銀が年内にもう1回利上げ。ナフサ不足継続 |
| 悲観シナリオ | 4.0%超 | インフレが収まらず日銀が連続利上げ |
一部の専門家は「4%台が視野に入る段階」と分析しています。1990年代前半の住宅金融公庫の金利は4〜5%台だったことを考えると、歴史的にはまだ「異常な低金利」の範囲とも言えますが、ゼロ金利時代しか知らない世代にとっては未知の領域です。
3月時点で契約した人はどうなる?
フラット35の金利は「融資実行時」の金利が適用されます。契約時ではありません。
- 2026年3月に契約(金利2.25%想定)→ 6月に実行なら3.21%が適用
- 月額差:4,000万円の場合、月約+16,000円、総額で約+680万円の増加
「契約した時は2%台だったのに、実行したら3%超え」というケースが実際に発生しています。これはフラット35特有のリスクで、契約から実行までの期間(通常2〜3ヶ月)に金利が急変する可能性があるのです。
今すぐやるべきこと
これから借りる人
- 変動金利との比較シミュレーションを実行し、月額差と金利上昇リスクを天秤にかける
- フラット35S(省エネ住宅で金利引下げ)の適用可否を確認
- 頭金を増やす:融資率9割以下なら3.21%、9割超なら3.32%。頭金で金利が変わる
- 融資実行のタイミングを検討(金利が下がる月を待つ選択肢も)
既に借りている人
- フラット35は固定金利なので既存の返済額は変わらない
- ただし、借り換えのチャンス:過去に高い金利で借りた人は、変動金利への借り換えでコスト削減の可能性
- 繰上返済の検討:金利が高い分、繰上返済の利息削減効果も大きい
まとめ:フラット35 3%時代の到来
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 6月の金利 | 3.21%(現行制度で初の3%超え) |
| 上昇ペース | 5ヶ月で+1.12ポイント。6月は単月+0.50(過去最大) |
| 4,000万円の月額 | 157,218円(2022年1月比+38,626円) |
| 利息総額の差 | 2022年比で+約1,622万円 |
| 変動金利との差 | 月額約4.4〜5.4万円 |
| 今後の見通し | 3.5〜4.0%への上昇も視野 |
フラット35の金利3%超えは、「金利のある世界」が住宅ローンにも本格的に到来したことを象徴しています。固定か変動か、頭金をいくら入れるか、借入額をどうするか――あらゆる選択肢をシミュレーションで比較検討することが、これまで以上に重要です。
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